抄録
本研究では平時だけでなく災害時に処理困難・処理を阻害しうる有害・危険物の代表例の1つであり、既往研究においてもリスクが高いと指摘されている、スプレー缶・カセットボンベについて、市民の使用~廃棄実態を明らかにするためにインターネットアンケート調査を行った。その結果、直近1年間の購入、使い切り、廃棄本数は、それぞれ10.6-15.3本/年・人、5.5-8.7本/年・人、5.5-7.2本/年・人と推定された。また、家庭には5.8-10.3本/人、1.5-2.2本/人の買い置き製品、退蔵品がそれぞれストックされていると推定され、災害時にはこれらに加え使用中の製品も廃棄されることを鑑みれば、廃棄されるスプレー缶やカセットボンベの相当量は中身が入った状態であることが示唆された。今後は、平時のフロー、災害時の廃棄ポテンシャルを定量的に明らかにする必要がある。