抄録
クローズドシステム処分場は、散水のコントロールなど適切な管理方法により早期安定化が期待できる一方で、適切でない管理方法をとった場合、安定化が長期化することも懸念される。そのため、埋立管理を視点とした処分場の安定化に関する数値的な予測手法とその最適化は検討すべき課題である。
著者らはこれまで、カラム実験結果の結果を基にした処分場安定化モデルを構築し、埋立手順や散水方法による安定化傾向の変化について検討している。しかしながら、埋立手順と散水方法に限ってみても一概にどの方法が良いとは言い難いく、また管理方法は自由度が高く関係する要素も煩雑であり、その最適化は難しい。この課題に対し、処分場の安定化モデルに対して、基礎的な人工知能モデルを適用し、埋立管理手法の最適化を試みた。規則的な埋立方法と人工知能モデルによる結果を比較することで、埋立管理の工夫により安定化傾向の改善が期待できることが分かった。