抄録
海面処分場では、保有水pHが高い場合があり、高pHの浸出水が長期流出することが懸念される。また内水ポンド(余水、調整池ともいわれる。)では、浸出水の希釈および大気中CO2による中和が生じていると考えられる。本報告では、実験室にて実処分場の1/250スケールで、ポンドへ浸出水が流入する状況を模擬した試験を行った。今回行った実験条件では、中和に必要なCO2吸収フラックスは低く、大気中CO2吸収が十分であり、pH11の模擬浸出水を流入させた模擬ポンドのpHは上昇しなかった。また、簡易モデルについて検討し、中和に必要なCO2吸収フラックスの算出を試みた。実験結果から、今回の手法によりポンドでの大気中CO2吸収によるpH低減効果の推定の可能を示した。