メタン発酵処理の撹拌に要する電力費は高く、低動力で運転可能な間欠撹拌が注目されている。しかし、低頻度の間欠撹拌では処理性能が低下するが、その要因は明らかになっていない。そこで本研究では、連続撹拌、無撹拌、異なる撹拌頻度の間欠撹拌を用いて、槽内の反応過程および反応物質に与える影響を評価した。その結果、12時間の間欠撹拌の条件で最大積算メタン生成量 (844 mL g-VS-1) を示し、連続撹拌よりも高いメタン生成量を示した。6時間の間欠撹拌では連続撹拌と同値のメタン生成量であった。連続撹拌のSCOD量は間欠撹拌よりも有意に高い値を示し、撹拌ストレスによる難分解性物質の分泌が示唆された。低頻度の間欠撹拌 (24時間) や無撹拌では、基質と微生物間の接触効率が低下し、加水分解効率が全体の連続代謝反応の律速となることが明らかとなった。