溶融技術は、放射性物質汚染廃棄物に塩化物を添加して1,300〜1,400℃で溶かすことで、廃棄物中のCsを塩化揮発させて少量の溶融飛灰に分離濃縮することができる減容化技術である。揮散促進剤としてCaCl2や再生塩ビを添加するが、塩素は一定割合がHClとなって排ガスに移行する。二段BFを用い、No.1 BFでは溶融飛灰のみを捕集し、No.2 BFでCa(OH)2を噴霧して酸性ガスの中和を行えば、No.2 BF灰は溶融炉で揮散促進剤として循環活用できる。そこで、本報では、仮設焼却炉の焼却灰模擬物にNoを処理対象物として、No.2 BF灰を添加した条件で溶融テストプラントでの実証試験を行い、Csなど各元素の揮散挙動について調査を行った。その結果、No.2 BF灰添加時のCs揮散率は未添加時と同程度に高く、No.2 BF灰は揮散促進剤として有効であることが実証された。