廃棄物から回収される副生塩等の塩類を廃石膏のH2S抑制に利用可能か検討した。また、H2Sの発生が抑制される塩濃度においても廃石膏の生物学的安定化が起こりうるか確認した。廃石膏試料を用いた嫌気培養実験の結果、CaCl2-4%、KCl- 6%、NaCl-7%、副生塩-5%の塩濃度において、H2Sの発生は確認されなくなった。培養液の細菌叢解析の結果から、これらの塩濃度において硫酸還元菌の生育が抑制されていることが確認された。しかし、微生物の活動を示すCO2の発生やTOCの増加等の現象も確認された。そこで、廃石膏試料にCaCl2-4%水溶液を加える嫌気培養を塩水を一月毎に3回入替えて行ったところ、その後の試料はH2S発生条件においてもH2Sを発生させることはなかった。