福島第一原発では地下水の流入により汚染水が発生しているため、90Srおよび137Csを高濃度で含む汚染水の浄化処理が続いている。現在、ゼオライト等の吸着剤による処理が行われているが、水処理二次廃棄物が大量に発生するため二次廃棄物の発生量の少ない技術が求められている。そこで本研究は、Cs+およびSr2+の錯形成物質としてそれぞれテトラフェニルホウ酸(TPB−)およびDicyclohexano-18-crown-6(DCH18C6)を選択し、Cs+およびSr2+をベンゼトニウムおよびp-トルエンスルホン酸からなるイオン会合体相へ同時に抽出するプロセスを検討した。本検討条件の中では、錯形成物質としてTPB−およびDCH18C6を10倍量添加した場合に、小体積のイオン会合体相へ、より多くのSr2+およびCs+を同時に抽出できることが明らかとなった。