ライフサイクルシミュレーションによる車載用LiBの採掘活動から見た資源効率最適化

抄録

昨今の自動車産業では，各国の自動車環境規制により，電動化が急速に進展している．しかし，電動車に搭載されるリチウムイオン電池（LiB）は使用済みになった後，焼却処理され路盤材等に利用されており，LiBに含まれる希少な金属は十分に再利用できていない．持続可能な電動車を実現するために，使用済み車載用LiBの有効活用が重要である．そこで本研究では，使用済み車載用LiBのリユース，リサイクル，リパーパス（住宅用蓄電池として再利用）における資源利用量を関与物質総量（TMR）の観点から推算する．さらに，システムダイナミクス法を用いて車載用LiBの複合的なライフサイクル全体をモデル化し，シミュレーションを実施する．シミュレーションでは，再資源化による一次資源削減の効果の検証，及び使用済みLiBの選別基準を変化させるシナリオを作成し，資源効率の高いシナリオを提案する．