主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 31
開催地: Web開催 北海道大学工学部
開催日: 2020/09/16 - 2020/09/18
使用済みリチウムイオン二次電池(LIB)の焙焼で生じるフッ素系ガスの安全処理を目的として、LIB中のフッ素含有量ならびに炭酸カルシウムを用いたフッ素固定化反応について検討した。LIB構成部材別の水浸出実験では、F-選択性電極を用いてフッ素浸出量を測定し、熱処理によって非水溶性のフッ素が可溶態に変化することを見出した。また、繰り返し浸出操作を行った結果、負極材よりも正極材に多くのフッ素が含まれていることが示された。正極材のバインダー樹脂として使われるPVDFの熱分解で生じるHFを固定化すべく、炭酸カルシウムを用いたフッ素固定化実験を行った。反応温度を検討したところ、不活性雰囲気中400 ℃以上で焼成することにより、フッ化カルシウムとして固定化できることがわかった。また、XRDを用いた内部標準法によりフッ素固定化率を算出した結果、最大で99 %のフッ素固定化率を達成した。