廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
セッションID: F1-2-O
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F1 有害性化合物・金属
ポリ塩化ビフェニルの経年的排出量推定
*小柴 絢一郎平井 康宏酒井 伸一
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抄録

国内でのポリ塩化ビフェニル(以下、PCB)の排出量を1950年から2030年まで推定した。PCB製品のライフサイクル全体での排出量に加え、熱工程や顔料中への非意図的生成も排出源として考慮した。PCBの規制以前は、PCB生産時等の工場排水や感圧紙等の開放系製品からの揮発が中心的な排出源であった。PCBの規制に伴い排出量は急激に減少し、その後も環境漏出が抑制等により排出量は減少傾向にある。PCB分解処理事業が進行するにつれ、2010年頃から排出量の減少傾向が再び大きくなると推定された。分解処理完了後は、熱工程による非意図的生成や一部残存する開放系製品からの揮発が中心的な排出源となることが推察できる。また、環境中PCB濃度推定の結果、大気中濃度推定値は実測値の範囲にほぼ収まったが、水質中濃度は過小に推定された。以上から、未知発生源の存在や環境動態モデルに関する問題があることが示唆された。

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© 2020 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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