本研究の課題は、食材の調理の際に除去される可食部「過剰除去」の発生状況や発生要因を明らかにすることである。家庭で調理を主に担う消費者に対して、日本で消費量の多い野菜10種の可食部17か所を示し、それぞれ除去するかどうか、どのような認識を持っているか等を尋ねるアンケート調査を実施した。その結果、①にんじん葉柄基部付近、にんじん表層、じゃがいも表層付近、キャベツ外葉、だいこん表層は過半数が除去していること、②除去する人においては、当該可食部に対し「不可食部を完全に除去するために取り除く」「除去すると料理しやすくなる」といった調理上の都合というべき認識を持つ人が、野菜の種類や部位に関わらず多いこと、③「おいしくない」「汚れている」「農薬が気になる」等、部位そのものに対するネガティブな認識を持つ人もいるが、そのような認識の在り方は野菜の種類や部位によって違いが大きいことが明らかになった。