廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
セッションID: B1-3-O
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B1 廃棄物管理・計画(1)
鹿児島県志布志市における分別収集システム構築の経験と開発途上国への応用
*小川 領一留中 政文西川 順一佐藤 尚文
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抄録

志布志市は焼却炉を導入せず、住民と行政が一体となった27分別によるごみの資源化を行っている。この志布志モデルは2000年に開始され、資源化量は急増し、最終処分量は急減した。このモデルの要、分別は至ってシンプルであるが、生活習慣と密接に関連しており、導入と定着には困難が伴う。本研究はこの導入と定着のプロセスに焦点を当てた。資料分析や聞き取り調査から、1990年代は地域で産廃が社会問題化し、住民のごみに対する意識が変化する中、広域処理計画がまとまらず、最終処分場の残余年数が数年先に迫り、19分別の導入を決意したこと、また、志布志モデル導入時には自家処理量が急増したり、不法投棄が問題となっていたことも判明した。そのような状況下、自治体職員の積極的な対応や衛生自治会の新たな設立・活動支援が一体となって機能し、分別が定着していった。この一連のプロセスは、途上国への支援の要素になり得ることを示した。

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© 2020 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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