志布志市は焼却炉を導入せず、住民と行政が一体となった27分別によるごみの資源化を行っている。この志布志モデルは2000年に開始され、資源化量は急増し、最終処分量は急減した。このモデルの要、分別は至ってシンプルであるが、生活習慣と密接に関連しており、導入と定着には困難が伴う。本研究はこの導入と定着のプロセスに焦点を当てた。資料分析や聞き取り調査から、1990年代は地域で産廃が社会問題化し、住民のごみに対する意識が変化する中、広域処理計画がまとまらず、最終処分場の残余年数が数年先に迫り、19分別の導入を決意したこと、また、志布志モデル導入時には自家処理量が急増したり、不法投棄が問題となっていたことも判明した。そのような状況下、自治体職員の積極的な対応や衛生自治会の新たな設立・活動支援が一体となって機能し、分別が定着していった。この一連のプロセスは、途上国への支援の要素になり得ることを示した。