主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第32回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 32
開催地: 岡山コンベンションセンター
開催日: 2021/10/25 - 2021/10/27
本研究では、地方自治体による食品ロス削減の計画化が廃棄物の発生抑制に与える影響について実証的に明らかにすることを試みる。分析では、独自に入手した各自治体における食品ロスに対する政策や取組み状況に関する個票データを用いて、食品ロス削減の計画化が家庭の廃棄物削減に与える因果効果を推定した。操作変数法による分析の結果、食品ロス削減目標を一般廃棄物処理基本計画において掲げている自治体では、未計画自治体よりも一人当たりの可燃ごみの排出量が平均で約8%少ないことが明らかになった。本研究から得られた結果は、食品ロスの排出実態を把握し、食品ロス削減を地方自治体の行政計画として組み入れることが、今後の廃棄物処理政策を設計するうえで重要な役割を果たす可能性があることを示唆している。