主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第33回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 33
開催地: 宮崎大学
開催日: 2022/09/20 - 2022/09/22
下水汚泥は下水処理過程の凝集剤によってP可給性が低い可能性があるため、P供給能を堆肥種ごとに評価する必要がある。本研究では、16種の下水汚泥堆肥において可給態として抽出されるP形態を評価した。
各堆肥の全P量を基に、土壌に添加されるP量が200 mg-P2O5/kgとなるよう堆肥と土壌を混合した。無施肥区を対照とした。各土壌の可給態P量を測定し、各堆肥の逐次抽出によるP形態と比較検討することで、いずれのP形態が可給態となったか検討した。さらに、全Al、Fe、Ca量と全P量およびP形態との関係から、可給態となるP形態が堆肥種ごとに異なる要因を考察した。
下水汚泥堆肥中の易溶性Pはいずれの堆肥種でも可給態として抽出された。また、下水汚泥堆肥中のF4-Pも可給態として抽出されうるが、堆肥種によってCa量が多いと抽出されなかった。したがって、Ca量の多い堆肥種ではP可給性が低い可能性が示唆された。