本研究では,濃縮浄化槽汚泥に対応する新しい省エネ・創エネ型資源回収システムを開発することを目的として,分解促進型嫌気性MBRによる処理水質確保とエネルギー生産を同時に実現できる新たな汚泥処理システムの確立を目指して,従来の汚泥再生処理センター技術の革新に取り組んでいる。有効容積15LのAnMBRを組み立て,夏,秋,冬,春季において濃縮浄化槽汚泥の中温メタン発酵の長期連続実験を行った。HRT30日,SRT60日,VS負荷率0.93～1.41g-VS/L/d条件でバイオガス生成率0.47～0.51 L/g-VS範囲であった。濃縮汚泥より得られたバイオガスのメタン含有率は64.6～65.7％,硫化水素濃度は700～830 PPMであった。物質収支結果により濃縮汚泥のメタン化率は45～51%程度であり,僅か1％未満のCODが膜ろ過水に残留され,嫌気性MBR優れた処理性能を示唆された。
