主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第33回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 33
開催地: 宮崎大学
開催日: 2022/09/20 - 2022/09/22
本研究では、もみ殻を焼成して得られるもみ殻灰を用いて一般廃棄物焼却飛灰中に含有する鉛の不溶化効果について検討した。焼却飛灰へ500 °Cならびに700 °Cで焼成したもみ殻灰を10 wt%添加したところ、70 °C で14日間の湿潤養生を行うことで廃棄物を埋立処分するための判定基準を満足した。X線回折分析の結果から、焼却飛灰中のCa(OH)2ならびにCaClOHが、非晶質シリカを主体とするもみ殻灰と反応し、新たに形成したケイ酸カルシウム水和物により鉛の溶出量が低下したものと考えられる。焼成温度の違いによって、もみ殻灰のCa(OH)2との反応性や鉛の不溶化効果に差が認められたが、詳細については今後の検討を要する。一方で、非晶質シリカを含有するもみ殻等は一般廃棄物焼却飛灰の不溶化材として利活用できる見込みが示され、セメントよりも添加量が少なく済む新しい不溶化技術としての可能性が示唆された。