近年問題となっている海洋ごみの8割は、河川を経由して排出されると言われ、河川ごみが海に流れ出る前に回収することが重要である。しかし、河川の散乱ごみは、移動性が高く、漂着するごみの種類や量、漂着場所が大きく異なるため、発生源の実態把握が難しい。このため、本研究では効果的な河川ごみの回収を行うために、綾瀬川を対象河川として、塩入ら(2019)の調査手法を参考に河川ごみ散乱分布を調査し、河川周辺の背景情報との関連性をjSTAT MAPにより検討した上で、河川ごみのホットスポットの特定を試みた。その結果、ごみが散乱しやすい地点は橋梁の下や公園近傍、信号付近等あり、ホットスポットの地点において河川ごみの回収を重点的に取り組むことで効果的に実施できることが示唆された。また、河川周辺の人口密度や卸売業・小売業の施設数が河川ごみの量と関係があることが明らかになった。