主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第35回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 35
開催地: つくば国際会議場
開催日: 2024/09/09 - 2024/09/11
世界の車載用蓄電池市場は、今後30年で10倍以上になるとの見通しがある。バッテリーメタルを主に中国からの輸入に頼っている日本では、廃二次電池をリサイクルすることで、原料の安定供給が急務だと考えられる。本研究では、廃二次電池ブラックマス(使用済み二次電池を高温で焙焼後粉砕したもの)について、組成分析、物理的選別の可能性の検討、無機酸を用いた酸抽出実験を行った。研究の結果、以下の知見が得られた。物理選別について、LiBブラックマスでは、45 µmの篩を用いた粒径選別の有効性が確認された。無機酸抽出実験では、LiBブラックマスについて70℃、固液比1/40 g/mL、2 Mの硫酸を用いて、Li, Ni, Co, Mnについて80%以上の抽出率を達成した。また無機酸を用いず、熱水のみで抽出を行った場合でも、Liのみ40%の抽出率が得られた。NiMHブラックマスでは、塩酸の方が高い抽出率を示した。