廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
第35回廃棄物資源循環学会研究発表会
セッションID: E3-7-P
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E3 浸出水・発生ガス
X線CT分析による不燃残渣および焼却灰埋立層の間隙構造と浸透挙動の評価
*石森 洋行磯部 友護石垣 智基山田 正人
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抄録

本研究は、不燃残渣や焼却灰等の廃棄物から採取した試料を用いて、その間隙構造と水の浸透挙動を調査した。X線CT分析と流体解析を組み合わせることで、三次元での詳細な間隙構造を明らかにし、異なる埋立層での水の移動パターンを観察した。研究結果から、不燃残渣埋立層では、水が特定の限られた空隙を通って移動する「水みち」が形成されることを確認した。将来の予測には水みちが埋立層内にどれだけ存在するか(有効間隙率)を把握することが重要となる。一方で、焼却灰埋立層では水の浸透は均等であり、すべての廃棄物に水が接触するため浸出水濃度が高くなる可能性が示された。埋立廃棄物の種類によって浸透挙動と、その結果としての水質には大きな違いが生じる。これは最終処分場の維持管理に直接影響を与える。埋立廃棄物の種類に応じて変化する物質移動に係る知識を持つことで、最終処分場の設計や管理戦略の改善に寄与できると考えらえる。

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© 2024 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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