流通研究
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特集論文
中国における家電小売市場の競争構造
関根 孝
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2014 年 17 巻 2 号 p. 65-79

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抄録
 中国における家電小売市場は、一見すると異業態間競争は活発にみえるが、ブランドごとに仕切られた売場づくり、不十分なチェーンストア経営、独占禁止法の未整備などの理由により、必ずしも消費者にゆたかな選択肢を提供しているとはいえない。
 日本は、近年、生産者市場よりも小売市場の方が価格形成などにおいて主導的地位を占めているのに対し、中国ではどちらが優位かということは簡単に判断することはできない。蘇寧雲商と国美電器などの家電量販店では、店頭で販売するのはすべて派遣店員であり、家電メーカーは、プロモーションや価格政策に関してマーケティング・パワーを発揮しやすい。一方で、家電量販店は巨大な店舗網をもち、売場提供力によるパワーを発揮している。たとえば、テナントミックス・テナントの配置・テナント料の決定、売上代金の管理、各種リベートの徴収をしているので、メーカーと家電量販店は垂直的関係において拮抗する状況にある。
 立地は、小売業にとってまちづくり (都市計画) によって外生的に与えられるので、ゾーニングなどがきっちり行われれば、大型店の出店地域が制限されるので、中小家電店にとって有利になり、小売市場にいい影響を及ぼすと考えられる。しかし、中国でもまちづくりは方向性が乏しく、家電量販店の立地は多様である。
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© 2014 日本商業学会
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