2016 年 18 巻 1 号 p. 7-78
既存研究においては、パッケージへの画像掲載により、好ましい消費者反応を得られることが示されてきた。本研究では、こうした効果がどのような時に変化するのかを検討するため、解釈レベル理論を援用した。解釈レベル理論は、対象との心理的距離によって対象への捉え方が変化することを提示している。
実験 1 では心理的距離のうち社会的距離に注目した。その結果、消費者がギフトを想定した場合(社会的距離:遠)、画像非掲載パッケージが製品評価を高め、自分自身での消費を想定した場合(社会的距離:近)、画像掲載パッケージが製品評価を高めることが示された。
実験 2 では心理的距離のうち時間的距離に注目した。ギフトを贈与するまでの時間的距離を操作したところ、消費者が遠い将来の消費を想定した場合は、画像非掲載パッケージが製品評価を高める一方、近い将来の消費を想定した場合は、画像掲載パッケージが製品評価を高めることが示された。