流通研究
Online ISSN : 2186-0939
Print ISSN : 1345-9015
ISSN-L : 1345-9015
18 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
投稿論文
  • ─解釈レベル理論にもとづく検討─
    外川 拓, 石井 裕明, 恩藏 直人
    2016 年 18 巻 1 号 p. 7-78
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/31
    ジャーナル フリー

    既存研究においては、パッケージへの画像掲載により、好ましい消費者反応を得られることが示されてきた。本研究では、こうした効果がどのような時に変化するのかを検討するため、解釈レベル理論を援用した。解釈レベル理論は、対象との心理的距離によって対象への捉え方が変化することを提示している。

     実験 1 では心理的距離のうち社会的距離に注目した。その結果、消費者がギフトを想定した場合(社会的距離:遠)、画像非掲載パッケージが製品評価を高め、自分自身での消費を想定した場合(社会的距離:近)、画像掲載パッケージが製品評価を高めることが示された。

     実験 2 では心理的距離のうち時間的距離に注目した。ギフトを贈与するまでの時間的距離を操作したところ、消費者が遠い将来の消費を想定した場合は、画像非掲載パッケージが製品評価を高める一方、近い将来の消費を想定した場合は、画像掲載パッケージが製品評価を高めることが示された。

  • 消費者の支払意向額に対するプライミング効果とその調整要因
    西本 章宏, 勝又 壮太郎, 本橋 永至, 石丸 小也香, 高橋 一樹
    2016 年 18 巻 1 号 p. 29-54
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/31
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、コンテクスト効果の一種であるプライミング効果の枠組みを用いて、ある製品に対する支払意向額の判断において、当該製品とは異なるカテゴリーの製品との接触が消費者の支払意向額に与える影響を検証することである。また、プライミング効果の影響を調整する要因として、「製品カテゴリーに対する消費者の事前知識」と「製品カテゴリー間の類似性」を考慮する。さらに、消費者行動研究の視点から、価格競争に巻き込まれないための脱コモディティ化戦略の一施策を提示する。

  • フランチャイズ店/直営店比率のパネルデータ分析
    白石 秀壽
    2016 年 18 巻 1 号 p. 55-78
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/31
    ジャーナル フリー

    本論は,市場情報を獲得する費用,すなわち探索費用を節約するという観点からフランチャイズ店と直営店の選択メカニズムを理論的・経験的に検討する。具体的には,まず探索-活用モデルを援用して,フランチャイジーが知識を探査・発見するプロセスを検討し,2 つの仮説を設定する。次に,仮説の経験的妥当性を吟味するために,パネルデータを用いて,トービットモデル,操作変数法,および変量効果モデルを用いて推計を行う。実証分析の結果,探索費用が禁止的に高いような,(1) 「市場の異質性」が高い場合と,(2) 「市場の変動性」が高い場合に,「フランチャイズ店比率」が高いということが見出される。

特別寄稿
feedback
Top