流通研究
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我が国家電メーカーのチャネル政策と系列店の役割
李 東俊成生 達彦
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2017 年 20 巻 2 号 p. 37-48

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抄録

本稿では,小売サービスを必要とする消費者とそれを必要としない消費者の2種類の消費者が存在する市場を想定し,メーカーのチャネル政策について検討する。本稿の結論は2つである。第1に,メーカーは系列店を併用することで,量販店のみの場合よりも多くの利潤を得ることができる。というのは,メーカーはサービスを評価しない消費者には量販店を介して低価格で販売する一方,サービスを評価する消費者にたいしては系列店を介してサービスを提供することによって,(小売価格は高くなるが)多くの量を販売できるからである。しかしながら,量販店と系列店の価格差が大きくなると系列店が存続できなくなり,メーカーの利潤は少なくなる。第2に,このことを回避するために,メーカーは量販店の小売価格に下限を設定するのである。これらのことを踏まえて,我が国家電メーカーのチャネル政策について検討する。

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© 2017 日本商業学会
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