流通研究
Online ISSN : 2186-0939
Print ISSN : 1345-9015
ISSN-L : 1345-9015
PBロイヤルティ構造の日英米比較
陶山 計介後藤 こず恵大田 謙一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 11 巻 2 号 p. 55-69

詳細
抄録
昨今の景気後退と物価高を受けてわが国でもプライベート・ブランド (PB) は、小売企業の成長だけでなく、消費者行動やメーカーのブランド (NB) 戦略にとってますます重要な存在となってきている。そうしたなかで顧客のPBロイヤルティ構造を日英米3ヵ国、紅茶、牛乳、チョコレート、シャンプーの4製品カテゴリーについて、主として共分散構造分析を用いてモデル比較を行った。その結果、3ヵ国に共通してPB価値優位性に対する価格要因の影響力は低く、環境・健康といった付加価値要因が高いPBロイヤルティの形成に寄与していること、他方、PBロイヤルティに対する製品要因の影響度、コストパフォーマンスおよび品質の役割は国によって異なること明らかにされた。欧米と比べて低いと言われてきた日本のPBシェアの影響要因を解明するためには、これらの各国別の共通点や相違点をふまえることが必要である。
著者関連情報
© 日本商業学会
前の記事 次の記事
feedback
Top