抄録
構造物の制振を行う動吸振器ダンパの一つに液体動揺現象であるスロッシングを利用するTSDがある。しかし, 従来のTSDは作動流体として水が用いらているため, タンク長と液位により決定されるスロッシング固有振動数の近傍でしか制振効果を得られない。そこで水の代わりにER流体を用い, 電界印加により見かけのタンク長を制御することでスロッシング固有振動数を変化させることのできるER-TSDを提案する。本研究では, ER-TSDが固有振動数の変化する構造物に対して効果的な制振が可能であることを実験的に検証し, またその挙動の解析を行う。