抄録
著者らは, 多指ハンドによる対象物の把持の指配置範囲を解析的に求め, その指配置範囲の幾何学性質を明らかにした。本報告では, 求めた指配置範囲の中からどの指配置を選べば, より安定な把持を実現できるかを検討する。求めた指配置範囲に対して, この範囲の境界に接する最大内接球の中心から各境界までの距離がより大きいほど, 最大内接球の中心に指を配置すれば, より安定な把持が実現できる。他方, 最大内接球を含む最大の凸集合の体積が大きいほど, 指配置可能な範囲も大きいと考えられる。よって, 最大内接球の半径と最大内接球を含む最大の凸集合の体積とを把持安定性の評価指標として考え, 安定な指配置範囲を議論する。