抄録
人間は不測の事態が突然生じても, それに適応しつつ目的を達成することができる。これは, 時々刻々と変化する環境や状況に応じた行動が随意行動に重畳されることにより実現されていると考えられる。そこで, 本研究では目的を達成するための随意行動, 環境の変化に対応した生得的な反射行動, 状況の変化に応じて生じ後天的な学習により獲得される行動(本研究では状況反応行動と呼ぶ)の統合により一つの全身行動が実現されると考え, それをヒューマイノドの行動システムに組み込むことで環境・状況への適応性を高めることを提案する。