抄録
神経内視鏡手術は, 脳神経外科手術における低侵襲手術であるが, 作業領域や視野が狭いという問題点がある。そこで, 鉗子先端に自由度を持たせ, 視野拡大のためにMRI下で使用できる多機能微細鉗子マニピュレータの開発を行った。これは把持鉗子マニピュレータ, 立体内視鏡, 吸引管, 灌流管などの処理具を直径10mmの筒に内蔵したマスタスレーブマニピュレータであり, 先端の屈曲2自由度, 並進, 回転, 把持の5自由度を持つ。鋭角パイプを押すことによりステックスリップを起さない屈曲動作を実現させた。