抄録
本研究では, 動物行動の発生的階層構造をもつ「意識と行動」を関連付けた意識アーキテクチャ(CBA), 及び行動選択とする評価関数を適用した動物行動の模倣を目的とする。本稿では, CBAの最上位の意識層に学習機構を搭載した。これは, 過去を経験を利用して向かうべき方向を考え出す「想起反省モジュール」を持ち, 抑止された体験に基づき, 意識内容を変更してゆく構造を持つ。CBAと, 強化学習法の一つであるQ-learningのそれぞれを適用した人工動物による, 迂回・目標探索行動のシミュレーション結果の比較を行う。