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阪神・淡路大震災から8年余りが経過し, レスキュー活動に関する研究がここ数年盛んに行われるようになってきた。このような中で, レスキュー活動やレスキュー技術の啓蒙を目的とした, レスキューロボットコンテストが3年前から開催されている。本コンテストは, 単にロボットの性能など, 技術面を競うものではなく, レスキュー活動に対して, 社会性や心理・教育面からの考察も重要視されている。広島大学チームは, このような後者の立場をとくに重視し, ロボット製作に取り組んでいる。本稿では, 本年8月に開かれた第3回大会における, 広島大学チームの救命救助(レスキュー)活動についての考え方を述べるとともに, それに基づいて製作したロボットを紹介する。