日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第62回日本衛生動物学会大会
セッションID: A21
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ベトナム南部におけるペルメトスリン処理された網(オリセットネット)と昆虫成長制御剤ピリプロキシフェンのネッタイシマカへの防除効果
*角田 隆川田 均Huynh TrangLuu Loan長谷部 太都築 中高木 正洋
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抄録
ベトナムにおいて水がめはネッタイシマカにとって重要な発生源であり、本種の防除において重要な標的である。ネッタイシマカの防除法の一つとして忌避剤による雌の産卵制御が考えられる推奨されているが、それには飲み水を汚染することなく、安全かつ簡単な方法で産卵を抑制する必要がある。そこで、水がめの蓋にオリセットネットを処置することによるネッタイシマカの産卵抑止への効果と水がめ以外の非飲料水容器(花瓶、アントトラップなど)にピリプロキシフェンを処理した時の蛹への効果を調査した。ベトナム南部に試験地を設定し、500戸を処理区に別の500戸を対照区とした。水がめ及びその他の容器への処置は2008年9月に行った。幼虫と蛹の調査は試験実施1ヶ月前から5ヶ月後まで一月おきに行った。処理区においてネッタイシマカ幼虫のContainer indexとHouse indexは試験実施1ヶ月後に急激に低下した。試験実施から1ヶ月後と3ヶ月後にはオリセットネットと蓋の両方がネッタイシマカ幼虫に効果的であった。蛹密度も1ヶ月後に処理区において減少した。しかし蓋の処理をきちんとしていないと、処理区であっても容器あたりの蛹の密度は高かった。ピリプロキシフェンは処理区の蛹に対して有効であった。今回の処理によってネッタイシマカの幼虫と蛹の発生が抑制され、少なくともその効果は5ヶ月間維持されることがわかった。
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© 2010 日本衛生動物学会
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