抄録
メトフルトリン(商品名 エミネンス®)は蚊に対して極めて高いノックダウン活性および哺乳動物に対する高い安全性を併せ持つことから、蚊取り線香、液体蚊取り等、従来の加熱蒸散剤の有効成分に適用可能である。
さらに、常温揮散性および蚊に対する優れた忌避活性、吸血阻害活性を有することから、本剤を有効成分とするファン製剤、樹脂製剤、デングリ製剤等の新しいカテゴリー商品が近年相次いで上市されている。
ノックダウン活性についてはラボ内での試験方法が確立されており、薬量と活性の相関関係を定量的に把握し、薬剤の性能評価を的確に行うことが可能であった。
しかしながら、特に新カテゴリー商品において重要となる忌避活性と薬量の相関関係を定量的に把握するのは非常に困難な状況であった。
今回、演者らはメトフルトリンのさらなる応用開発研究を促進すべく、ラボ内にて簡便に忌避活性と薬量の相関関係を把握し得る方法を考案した。
本講演では本方法および本方法を用いて評価したメトフルトリンの忌避活性について報告する。