日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第62回日本衛生動物学会大会
セッションID: B25
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フサヒゲフンコバエによる食品工場での大量発生の一例(双翅目, フンコバエ科)
*林 利彦中山 恒友
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抄録
フサヒゲフンコバエLeptocera caenosa (Rondani)はヒト親和性の強いハエであり, ヒトの活動と共に世界中に分布を広げた種と考えられている. この種はしばしばヒトの生活環境内で大量発生することが知られている. カナダでは汚水槽の汚泥より大発生の報告があり, 日本でも北海道でマンション等から13件の大量発生の報告がなされている. 我々は栃木県宇都宮市の食品工場で本種の大量発生の事例に遭遇した. トラップによる調査で, 2009年4月からハエの大量発生が確認され, その後約1ヶ月で発生が終息した. この工場では外部からの昆虫侵入に対して対策がなされており, 多数のハエが侵入してくることは考えられず, 内部に発生源があるのは確実と思われたが, 工場での調査でその発生源を見つけることができなかった. 工場には1階から3階までに食品製造所があるが, ハエが見られたのは1階製造所のみであった. 北海道での事例では発生場所のほとんどが床下の排水管の破損による汚泥からの発生とされているが, 本事例でも床下からの発生が疑われた. 今回の大量発生に際し, トラップでは多数捕獲されていたにもかかわらず, 従業員等は目視で確認していなかったという. このハエはヒト親和性が強いにもかかわらず, 生息環境は屋根裏や床下等人目に付きにくい場所であるためにあまりポピュラーな種ではない. 本種の形態や発生状況等を紹介する.
キーワード:フサヒゲフンコバエ, 大量発生, 食品工場, 栃木県.
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© 2010 日本衛生動物学会
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