日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第64回日本衛生動物学会大会
セッションID: A25
会議情報

第64回日本衛生動物学会大会
異なるサイズの水域で繁殖する蚊2種の天敵に対する反応
*大庭 伸也大塚 雅和砂原 俊彦園田 友理川島 恵美子高木 正洋
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
蚊は種によって繁殖水域サイズが異なる.一般に水域サイズの増加につれて捕食者も多くなるので,種ごとの繁殖水域サイズと捕食回避能力はリンクしている可能性がある.本研究では,コガタアカイエカ(コガタ)とヒトスジシマカ (ヒトスジ)に対して,天敵のキュー(ハイイロゲンゴロウを飼育していた水:天敵水)が及ぼす影響を産卵回避行動, ボウフラの行動,そして生活史形質の観点から調べた.天敵水と汲み置き水道水(対照水)を準備し,雌成虫の産卵行動を調査した.コガタは必ず天敵水ではなく対照水に産卵したが,ヒトスジは両方に産卵した.次に,天敵水と対照水に対し餌の有無を操作した4つの条件下でボウフラの行動観察を行った. 2種のボウフラとも対照水+餌なしの条件では積極的に潜水し,餌を探索するのが観察されたが,天敵水+餌なし条件ではコガタのボウフラは水面に定位する頻度が高くなった.最後に,ハイイロゲンゴロウが入ったケージを入れた容器(天敵存在区)または 空のケージを入れた容器(天敵不在区)を導入した容器で2種のボウフラを飼育し,幼虫期間及び成虫の体サイズを調査した.天敵存在区から羽化したコガタ成虫は天敵不在区に比べ体サイズが小さかった.以上から,コガタは天敵のキューを察知する能力に長けている一方で,ヒトスジは天敵のキューをあまり察知できないことが分かった.
著者関連情報
© 2012 日本衛生動物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top