日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第64回日本衛生動物学会大会
セッションID: B26
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第64回日本衛生動物学会大会
フェニトロチオン乳剤のヒトスジシマカ成虫に対する野外試験
*數間 亨足立 雅也武藤 敦彦皆川 恵子渡辺 登志也
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抄録
フェニトロチオン乳剤(10%)のヒトスジシマカ成虫に対する野外試験を2011年9月に東京都渋谷区および神奈川県大磯町の民家の庭で行った.薬剤の効果判定は8分間採集法で行い,ヒトスジシマカ成虫の薬剤処理前後の捕獲数から評価した. 渋谷区の民家では,フェニトロチオン乳剤を20倍に希釈 50mL/m2の割合で,背負動力噴霧機で噴霧した(A.I 0.25g/ m2).大磯町の民家では 同乳剤を100倍に希釈,10mL/ m2の割合で,全自動噴霧機で噴霧した(A.I 0.01g/ m2). その結果 渋谷区の試験では ,処理前の捕獲数が42匹であったのに対し ,処理から6.5時間後に2匹,20.5時間後に 1匹に減少したが ,処理 30.5時間後には10匹となった.大磯町の試験では ,処理前の 2ヶ所の捕獲数の合計が,41匹であったのに対し,処理4~6時間後は 0となった.処理10時間後は.12匹まで回復したが,処理24時間後には2匹であった.しかし,処理2日目には26匹が捕獲され,処理前の半数程度まで回復が見られた.昨年行ったフェノトリン水性乳剤のA.I 0.01g/ m2処理と比較するとフェニトロチオン乳剤の方が効果の発現は遅い傾向があった.なお A.I 0.25g/m2処理の渋谷区の試験において飛来数が0にならず大磯町で0になったことについては処理区域周辺の植生等環境の違いが原因の一つと判断された.
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© 2012 日本衛生動物学会
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