日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
原著
超重症心身障害児(者)、準超重症心身障害児(者)の短期入所利用状況について
石田 美枝子刀根 暁小西 徹
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2009 年 34 巻 3 号 p. 357-362

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抄録
短期入所利用の中で、超重症心身障害児(者)(以下、超重症児者)、準超重症心身障害児(者)(以下、準超重症児者)の占める割合が増えている。 超重症児者、準超重症児者における短期入所の有効利用を図る目的で、10年間の利用状況を調査した。対象は当園利用者61名で、年間利用日数、利用開始年齢、利用理由について、障害原因別(胎生期障害,周産期障害,出生後障害)にまとめた。結果、超重症児者は準超重症児者に比して利用日数が長く早期に短期入所利用につながっていた。理由も介護困難が多かった。また、障害原因別では、出生後障害は休養,介護困難を理由に利用日数が長い、胎生期障害は低年齢からの利用で介護困難以外の理由が多い、などの違いがあった。これには、障害重症度とともに介護負担度や障害受容によるところが大きいと思われた。 超重症児者,準超重症児者が有効に短期入所を利用できるように、障害重症度のみならず障害原因別の特徴も考慮した支援や対応が必要である。
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© 2009 日本重症心身障害学会
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