抄録
発達期脳の傷害病巣を病理学的に観察すると、病巣周囲には修復とともに再生現象が見られ、長い間、再生する細胞が増加し、代償機能が働いていることが分かる。さらに、脳は神経ネットワークを形成して機能しているために、それを介して遠隔の神経細胞にも代償や活性化が見られる。最近では、脳の形態画像でもtractographyが急速に進歩し、さらに、脳の機能画像や機能生理検査の発展もめざましく、脳の局所機能、脳の可塑性、脳機能の代償を含めて、ベッドサイドでも脳機能の可視化への進歩が期待される。このような脳の細胞や組織の修復・再生・代償の機構を臨床神経学的およびリハビリテーション学的に、療育の現場でも、より有効に活用して効果的な支援が発展することが望まれる。