日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
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その他・実践報告
超重症児の身体の動きの活発化と意思表出の促進を目指したコミュニケーション支援
岩本 陽子芳野 正昭
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2014 年 39 巻 1 号 p. 137-142

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抄録
特別支援学校に在籍する、動きの微弱な超重症児(A児、6歳10カ月)に対して、以下の(1)(2)の対処からなるコミュニケーション支援を実行した。すなわち、(1)A児が好むと考えられた活動を授業内容の中心的活動として、A児の意思に沿った活動展開になるよう努める。(2)PICDCサイクルと名付けた一連の行為(①A児に見られた身体の動きを取り上げる(Pick up)、②その動きの意味を解釈する(Interpret)、③A児の視覚障害に配慮し、取り上げた身体部位に触れて確認する(Confirm)、④解釈に沿った活動を展開する(Develop)、⑤展開に対するA児の反応の様子から解釈の妥当性を評価する(Check))を丁寧に繰り返す。その結果、A児の身体の動きの活発化と意思表出の促進が認識され、コミュニケーションの成立が起こり始めた。この結果から、超重症児に対するコミュニケーション支援を目的とする授業の在り方を考察した。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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