抄録
これまで重症心身障害児(者)通園事業の目指すべき目標の一つとして、“どれくらいの人口・地域面積当たりに通園事業所が1カ所必要なのかの答えを得てそれを実現する”に置き、目指してきた。今回、その一環として、兵庫県下における実態を検討するために、神戸市内の6カ所、神戸市を除く兵庫県下の6カ所の重症心身障害児(者)通園事業所にアンケート調査を行った。神戸市内は全市的にシステム化され、18歳以上の対象者の通園希望の現時点の需要にほぼ応えていた。一方、神戸市以外の県下ではその地域の需要に応えている所、応えられていない所、事業者がない所に分かれた。そこで、今回、神戸市における現状(人口15,000人に一人の割り、片道送迎1時間以内)を基準にして兵庫県下を14地域に分け、各地域での今後の対応策について考察した。行政のさらなる協力を得ながら、各地域での通園システムを確立するべき時期に来ていると思われる。