日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
シンポジウム4:地域生活と医療的ケア 快適に生きるための課題とこれから
安全 快適な学校生活を目指して、学校看護師から見た現場の課題と要望
石本 美里小川 由紀子伊藤 千里岩野 文佳林 美恵子原田 美代子篠田 敦子
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 39 巻 2 号 p. 217

詳細
抄録
昨今、医学の発達により超重症児も在宅生活ができ、学校生活もできるようになった。その反面、以前の養護学校の体制からは考えられないほどの様々な医療的ケアへの対応が必要になってきた。三重県もそれらに対応するために1998年度から「特殊教育における福祉・医療との連携に関する実践研究」事業を立ち上げ、翌1999年度から「養護学校メディカル・サポート事業」にて学校に看護師を配置し、2004年度からは「養護学校における医療的ケアに関するモデル事業」のモデル県となり国、県のガイドラインに沿って、教員も積極的に医ケアに関わってきた。その結果、吸痰の必要な児童生徒が継続的に授業に参加できたり、以前なら訪問教育対応の児童生徒が通学できるようになったりするなど、学校全体として教育効果や質が高まり、それが標準となった。看護師の身分も「業務補助職員」という常勤ではない不安定な立場から、特別免許状のある常勤講師になり待遇改善も図られてきた。しかしその後の本校における医療的ケアの状況は厳しくなっているといわざるを得ない。きわめて個別性の高い対応を必要とする多種多様なケアが増え、またその人数も増加の一途である。ガイドラインに定められた「教員が行うことのできないケア」も増えてきている。これら業務が期限付き講師という身分の学校看護師に大きくのしかかっている。加えて看護師の異動年限が新たに設けられ、今後のスキルの継承、在校生の安全・安心が脅かされている。今回の発表では医療的ケアが「学校という教育の場においてどのような役割を担ったか」「超重症児といわれる子どもたちの生活にどのような変化をもたらしたか」「今後どのような支援があれば学校生活をより良くすごせるのか」を看護師の立場から紹介したい。学校における医療的ケアについては各自治体で多様な考え方・予算などの要因の下、様々な方法で実施されており、それらを一元化することは現実的には困難である。シンポジウムでは本校で起こっている様々な問題を取り上げ、「医療的ケアのあるべき姿」「恒久的なケアを提供するためのシステムづくり」について意見を交わし、今後の校内態勢や行政への働きかけを考える上での参考としたい。 略歴 1986年(昭和61年)国立療養所三重病院付属看護学校 卒業 1986年(昭和61年)三重県立総合塩浜病院 勤務 2002年(平成14年)三重県看護協会 訪問看護ステーション なでしこ亀山 勤務 2008年(平成20年)三重県立特別支援学校北勢きらら学園 勤務
著者関連情報
© 2014 日本重症心身障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top