抄録
目的
重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))病棟に勤務する看護師の腰痛の有無や原因、腰痛に対する知識と予防行動の実態を明らかにする。
方法
対象者:重症児(者)病棟に勤務する看護師100名。質問紙法(腰痛の程度は数値評価Nrmeric Rating Scale(NRS)使用)。分析方法は単純集計、カテゴリー化。
結果
腰痛を感じている看護師は78%。NRS平均値は3.6。腰痛原因をカテゴリー分類しコード数165。サブカテゴリー15「腰に負担のかかる行為」「身体的問題」「腰に負担のかかる姿勢」「業務」の4カテゴリーを抽出した。85%以上が複数介助、ベッドの高さ調節、ボディメカニクスという腰痛予防の知識を持っていたが、実践していたのは75%であった。腰痛がないと答えた90%以上は知識があり予防行動をとっていた。全体の75%が腰痛予防への関心はあったが、改定された腰痛対策指針の認知度は15%であった。
考察
約8割の看護師が腰痛を感じていた。この原因は移動やオムツ交換時の中腰や前傾姿勢等の不自然な姿勢であった。腰痛対策指針では20kg以上の重量物を取り扱うことは禁止されているが、現状では限られた時間、職員数で看護をしている。この腰に負担のかかる姿勢の継続が腰痛の原因と考えられる。腰痛のない人は共通して知識と予防行動が伴っていた。このため、「複数介助」等という基本に忠実に看護することが腰痛予防の1つであるといえる。
結論
1.重症児(者)病棟看護師の78%に腰痛がある。
2.85%以上が腰痛に対する知識はあったが、予防行動に結びついていたのは75%だった。
3.腰痛のない看護師のうち90%が腰痛に対する知識をもち、予防行動をとっていた。