日本重症心身障害学会誌
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Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-1-B13 成年後見申し立て
−利用者家族と向き合って−
菱田 恵
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2014 年 39 巻 2 号 p. 232

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抄録
はじめに 当院での重症心身障害児(者)病棟は、障害児入所支援10名、療養介護150名の160床満床である。2006年10月1日から契約制度が導入され、成年後見人の集団申し立てを行った。2006年以降に入所した利用者や、20歳になり障害基礎年金の受給を開始する利用者の家族については、成年後見人の手続き方法、必要性について個別に面談を実施し、順次、成年後見人申し立てをしている。今回、特に検討および調整が必要だった利用者について報告する。 症例 A氏:20歳、女性、超重症児スコア37点、人工呼吸器装着 母:無職 両親離婚 在宅時にネグレクトの疑い、当院への入院費の未納金あり 経過 在宅時にネグレクトの疑いがあったが、行政の判断により2012年4月当院と契約。母は在宅生活への強い希望もあったが、ネグレクトの疑いがあったため、当院がイニシアティブを取り福祉関係機関や行政と支援会議を開き、退院や外泊は困難となった。入院費の滞納は続くが、面会状況は良好で、定期的に行われた。半年が経過し、療育指導室や病棟の職員との会話が増え、コミュニケーションを図れるようになり、在宅に帰りたいと口にすることも無くなった。20歳になる頃、年金受給の手続きに関し行政と連携を図る。滞納が続いている状況下で年金を受給は、生活費に充てる可能性が高く、成年後見人を申し立てた後に、年金を受給開始することにした。母は成年後見人になることを希望したが、裁判所との面談の際には事実説明のため児童指導員が同席し、滞納金があることを伝える。 結果・考察 近年、成年後見人による年金の使い込みが発覚し、第三者成年後見人に変更されるケースが増加している。相談支援においては、当院では行政や福祉関係機関と連携を図り、家族と向き合い、利用者に整った環境で福祉サービスを提供することが求められるため、今後もそのような支援に努めていきたい。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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