抄録
目的
近年重症心身障害児(以下、重症児)病棟を持つ国立病院機構ではポストNICUとしての役割や在宅支援などの機能強化が求められている。当院ではNICUを退院したハイリスク児を引き続き母子入院という特殊な形で長期リハビリテーションを行い在宅医療につないできた。今回NICUを退院した脳性麻痺児の特徴を分析しどのような医療的ケアが必要か明らかにし重症児病棟を持つ医療機関の役割について検討したい。
対象
2004年から2014年にNICU退院後に長期リハビリテーション入院を行った中で脳性麻痺と診断された65名。
方法
早産児、正期産児に分類した。それぞれGMFCS levelを1-3と4-5に分類し、耳鼻科、眼科的合併症、てんかんの有無、DQ、経管栄養の有無について検討した。
結果
耳鼻科的合併症についてはGMFCSによって大きな頻度の差はなかった。眼科的合併症については早産児ではGMFCS level 4-5で32%、GMFCS level 1-3で4%、正期産児ではGMFCS level 4-5で80%、GMFCS level 1-3で0%だった。てんかんの発症率は早産児ではGMFCS level 4-5で47%、GMFCS level 1-3で24%、正期産児ではGMFCS level 4-5で80%、GMFCS level 1-3で20%だった。DQの平均は早産児ではGMFCS level 4-5で26、GMFCS level 1-3で70、正期産児ではGMFCS level 4-5で22、GMFCS level 1-3で67だった。経管栄養を必要としたのは早産児ではGMFCS level 4-5で54%、GMFCS level 1-3で10%、正期産児ではGMFCS level 4-5で60%、GMFCS level 1-3で0%だった。
結論
早産児、正期産児ともにGMFCS level 1-3 に比較して4-5の方が眼科的合併症、てんかん、発達遅滞、摂食障害の合併リスクが高かった。GMFCS level 4-5は予後として重症児となる可能性が高い。重症児病棟を持つ医療機関がNICUを退院した脳性麻痺児の医療的ケアに小児期早期から関わる意義は大きいと考える。