抄録
当院が所在する千葉県では、人口約620万人に対して、重症心身障害病床が、国立病院機構2病院の240床と公法人立4施設230床の合計470床だけであり、人口当たりでは全国平均の半分程度で、長期入院用の病床は常時満床の状態が続いている。千葉県内の小児科(PICU等)と新生児科(NICU等)では重症心身障害児(以下、重症児)の長期入院が多く、2010年度と2011年度に実施した調査では各々44名、53名であった。人工呼吸器使用中の超重症児が多く、全体の半数は病状から在宅移行不可能と考えられ、重症心身障害児施設等への移行が待たれていた。また「在宅移行可能だが介護力の面から在宅移行困難」と考えられたケースも1/3程度存在した。これらの問題に対処するため、当院ではポストNICU・PICU児の受け入れと在宅移行支援目的の入院受入れを積極的に実施しており、その現況について報告する。
当院では重症心身障害病棟(60床×2病棟、うち短期入所:合計最大8名)と小児科病棟(50床、うち在宅移行児童一時支援事業:最大4名)の一部を用いて、ポストNICU・PICU児の受け入れを行っている。在宅移行の意向が無く、長期入院が目的で転院してくる重症児に関しては、就学年齢の場合は重症心身障害病棟で受け入れ、未就学年齢ではいったん小児科病棟で受け入れる場合が多い。在宅移行の可能性がある場合は、小児科病棟で受け入れて、在宅移行のための指導等を実施している。在宅移行直後の評価入院・レスパイト入院は、原則として在宅移行児童一時支援事業を利用して小児科病棟で受け入れている。在宅生活が安定してからは、重症心身障害病棟の短期入所用の病床も利用してもらっている。なお、患者本人の肺炎罹患など疾病治療目的の入院は小児科病棟で受け入れている。