日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
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O-1-B26 NICU退院障害児の臨床的背景とその問題点
平澤 恭子竹下 暁子吉川 陽子伊藤 康永田 智
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2014 年 39 巻 2 号 p. 238

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抄録
新生児医療の進歩による重症児の救命率の改善の一方、これらの重症児の長期入院が問題になっている。われわれはこのような児の在宅療育状況とその問題点について検討した。 対象 2009年〜2013年の5年間の当院NICU入院児で、退院時に中枢神経系を含む障害を認めた児である。 方法 これらの児のNICU診断名、障害の原因、1歳時点での必要な医療的ケア、退院後のサポート状況などを検討した。 結果 入院総数1459名中上記の条件に合致する児は37名で、うち1歳時超重症児(SH)4名、準超重症児(MH)は13名であった。これらの児の基礎疾患はSHでは先天奇形症候群(CAS)2例、呼吸器疾患(Res)1例、中枢神経形成異常(CNS)1例 MHではRes4例 CAS3例 CNS 2例 周産期障害(PBD)2例、その他2例であった。必要な医療的ケア気管切開、人工呼吸器装着例3例 経管栄養16例(内胃瘻5例)1歳以降に経管から離脱できた例は4例認めた。在宅移行準備として小児科病棟へ転棟した例はSH3例、MH7例を含む14例で、転棟後実生活にあわせて医療的ケアを調整した。訪問診療導入はSH全例とMHの3例で、訪問看護はSH、MH全例を含めた20例で導入した。Resでは乳児期以降改善を認め、医療的ケアも軽減した。 考察 SHおよびMHは全NICU入院児の1.1%を占めた。これらの児の平均NICU在院日数は148±110日と長く、体調的に落ち着いても、家庭の条件が整わず入院が長引く傾向を認めた、小児科病棟を利用して在宅療育に取り組むことができる体制作りが必要と思われた。退院時の保護者の不安は大きいが、退院後は訪問診療の介入で安定した体調が維持できるようになることが障害の受容を促進し、児の生活を豊かにする試みを保護者自身で行えるようになるなどがみられた。 結語 NICU入院児の約1%が1歳時点でSH、MHであった。これらの児の在宅での安定した体調維持を保証することが障害の受容やQOLの向上には重要である。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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