抄録
はじめに
旭川荘療育・医療センター児童院では、創設以来136名の利用者が亡くなっている。利用者の平均年齢も44歳で、家族も高齢化し、その背景も変化している。ここ数年当院内で死亡退所される方が増加し、当院での看取りが増えている。重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))の看取りは、本人の意思や希望が確認困難な場合が多いため、家族の意向を受けることが多い。当院では、毎年急変時の対応を家族から確認している。人生最期の時を支えていくとき、看取りについてのマニュアル作成の必要性を感じ、着手した。その経過を報告する。
考察
施設での看取りが増える要因として家族の高齢化や医療・看護体制が整ったことが考えられる。重症児(者)の看取りは、独自の定義が必要であることを感じた。死亡に至るまでの経過もさまざまで、終末期看護として取り組む際にどの段階で終末期と捉えるかの判断は難しい。そのため、どのような状態の変化にも対応でき、一日一日を大切によりよく生きるために日常的な援助が必要である。重症児(者)の看取りの難しさとして、治療に協力が得られにくく、痛みのレベルがわかりにくい等、少しの表情や行動の変化から判断する必要がある。また、家族の高齢化や死亡などにより家族の意思確認も難しいケースが増えている。そのため、看護師の役割としてスタッフ間の意思統一を図り、その人らしく生きるために、一人ひとりにあったケアを実践することが重要である。そして、家族に寄り添い、信頼関係を築くことで意思や意向に添えるケアにつながると考える。今後、ケアマニュアルを基準にしながら取り組んでいくことで住み慣れた環境でその人らしく生きる援助につながると考える。