日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-2-A09 重症心身障害児者における急変時の対応に関する調査
水野 勇司スビヤント ケイジ中山 秀樹
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 39 巻 2 号 p. 257

詳細
抄録
はじめに 重症心身障害児者は病態が急変し、中には急性死に至る例も経験される。しかしながら、心肺蘇生や人工呼吸器装着を行うかの意思確認を事前に患者本人から得ることは不可能である。当施設では、年1回の入所継続の契約面談時に代諾者を対象に、急変時の対応について調査しており、その傾向と問題点を明らかにする。 対象・方法 入所者の保護者または親族、後見人にあらかじめアンケート用紙を郵送し、その結果につき改めて面談し確認をとった。調査項目の中から、心肺停止などの急変時の対応についての回答を得た。 回答1.できるかぎりの処置と治療を受けさせたい、を積極的延命、2.心肺蘇生で回復しなければ人工呼吸管理は希望しない、を消極的延命、3.心肺蘇生や人工呼吸管理のどちらも希望しない、を延命拒否、4.その他もしくは複数回答、を未決定と分類した。年齢、入所期間、大島分類、超重症児スコア、基礎疾患、回答者について検討した。 結果 113名の入所者のうち、107名(94.7%)から回答が得られた。このうち、すでに人工呼吸器装着中の13例と虐待例の1例を除外した93名について検討した。積極的延命を希望する例は30例(32.3%)、消極的延命は48例(51.6%)、延命拒否は7例(7.5%)、未決定は8例(8.6%)であった。年齢が若い、入所期間が短い、母親の年齢が若い方に積極的延命を望む傾向があった。大島分類、超重症児スコア、父親の年齢では差はなかった。親以外の回答者の割合は4群間で有意差はなかった。 考察 心肺蘇生を希望する点では、83.9%の高い割合であったが、人工呼吸器を装着するか否かでは、希望しない割合の方が多かった。患者自体の特性というより、入所期間が長くなり、患者および母親の年齢があがると、積極的蘇生の希望が少なくなる傾向が示唆された。個別性の高い課題だが、生命の危機に瀕したときどう対応するかを年1回共通理解することに意義がある。
著者関連情報
© 2014 日本重症心身障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top