抄録
緒言
急性脳症は小児期の神経疾患として重要であり、罹患後に障害を残す例が少なくない。今回は重度障害を残した例について特徴をまとめた。
対象および方法
当科で入院リハビリテーションを行った例のうち、2009年〜2012年に急性脳症に罹患した42例を対象とした。脳症の型、発症年齢、原因、既往歴、急性期の状況、後遺症の状況(特にてんかんの経過)について、診療録から後方視的に調査し、移動できず最重度知的障害を併せもつ12例(重度群)とそれ以外の30例(非重度群)を比較した。
結果
急性脳症を発症した年齢の平均は、重度群1.2歳、非重度群4.8歳と重度群で有意に低かった。急性脳症の原因では種々のウィルス感染が関与していたが、重度群ではHHV6が4例・RSウィルス2例、非重度群ではインフルエンザウィルス5例などであった。既往歴では両群とも熱性けいれんが多かった。急性期の意識障害は、Japan coma scale 3桁が重度群100%・非重度群30%、意識障害の持続が10日以上は重度群100%・非重度群47%であった。後遺症では、身体障害は重度群100%・非重度群20%、知的障害は同様に100%・90%(最重度知的障害は100%・3%)、てんかん合併は75%・40%であった。てんかんの発症時期は脳症罹患後、重度群2.5カ月・非重度群2.7カ月とほぼ同じであったが、発作型は重度群では強直発作とミオクロニー発作が主で、非重度群では単純部分発作と複雑部分発作が主であった。服用中の抗てんかん薬は重度群では平均2.2剤でlevetiracetam、clonazepamが多く、非重度群では平均1.9剤でvalproate、carbamazepine、phenobarbitalが多かった。最終発作頻度は重度群で日単位が、非重度群で消失が多かった。頭部画像、脳波所見では、重度群で広範性異常が多かった。
まとめ
重度群と非重度群は経過・臨床像とも異なっていた。