抄録
背景と目的
横浜市は2009年より開始された横浜市障害者プランにおいて、医療的ケアを要する在宅重症心身障害児者とその家族のため、多岐に亘る生活課題に柔軟に対処することを目的に多機能型拠点の市内6カ所の整備を施策化した。当法人は重症者の通所等の地域生活支援に取り組んできた経過から、その第一館目の設立に至った。事業内容は、短期入所、日中一時支援、診療所、訪問看護、居宅介護、相談支援、等である。今回、短期入所、日中一時支援の役割を中心に述べる。
対象
2013年4月1日より2014年3月末日までの利用者で、主に横浜市南西部に居住するものである。
結果
登録者数は137名(男性84名女性53名)。年齢構成は2歳から50歳。医療的ケア内訳は、経管栄養98名、気管切開31名、痰の吸引87名、人工呼吸器14名、酸素16名、導尿9名、その他35名、自力移動可23名。内、短期入所の利用実数48名、延べ人数491名、平均年齢26.625歳。日中一時支援の利用実数99名、延べ人数1254名、平均年齢19.02歳であった。日中一時支援に低年齢の利用者が多かった。
考案と結語
利用理由として、短期入所では大半は予定したレスパイトであったが、忌事や介護者の病気による緊急利用もあった。日中一時支援は、学齢児の放課後、兄弟の行事参加、長期休暇中、また訪問学級の児童の外出先、母のスキル取得(運転免許等)もみられた。在宅重症児者と家族にとって、短期入所、日中一時支援を身近に利用できることの有益性を実感した。また、いわゆる動く重症児者の支援の場が少なく、潜在的ニーズの高さも実感した。これまでも個人の医療施設開設者らの尽力により各地域で重症児者の日中一時支援が行われてきたが、経営面での困難さがあったと言われている。重症児者は各地域に居住しており身近に施設があることが望ましいが、医療スタッフの雇用等、今後の運営について横浜市とともに検討を重ねたい。