日本重症心身障害学会誌
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O-2-D22 重症心身障害児者の下肢関節可動域の経年的変化の検討
岩島 千鶴子, 井合 瑞江
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2014 年 39 巻 2 号 p. 278

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抄録
はじめに 重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))は四肢・体幹に過緊張を有し、幼少時は関節可動域制限がなくとも加齢に伴い筋短縮や関節拘縮が出現し、姿勢やADL制限・痛み・介助負担の増大につながる。本研究では、重症児(者)の下肢関節可動域(以下、下肢ROM)の経年的変化がどのような影響を及ぼすか検討することを目的とした。 方法 対象は当センター医療型障害児施設に入所中の重症児者29名、全例粗大運動能力分類システムでレベル5、平均年齢15.0±9.0歳。下肢ROMは年1回理学療法士2名で計測し、股関節屈曲・伸展・外転と膝関節伸展の角度を選出。平均計測回数は7.0±4.2回。関連する因子として、股関節脱臼の有無と変化、骨折の既往、車椅子・バギー上姿勢も調査した。股関節脱臼は年1回の定期検査の背臥位レントゲン画像からMigration percentage値(以下、MP値)を用い、MP値81〜100を脱臼とした。統計処理はMann-WhitneyのU検定を用い、有意水準を5%とした。 結果 下肢ROMは加齢とともに低下し、全項目で4〜9歳に比べ20〜36歳で有意に低下した(p<0.05)。股関節脱臼は股屈曲・股外転で脱臼有り群がなし群に比べ低値を示したが、有意差はみられなかった。車椅子・バギーは、ストレッチャー型で年齢が有意に高く(p<0.01)、股屈曲・外転、膝伸展で有意に低かった(p<0.05)。 考察 重症児(者)は生来の筋緊張異常から生じる骨格筋の伸張性低下、姿勢変換や運動経験の乏しさに加え、加齢という要因が加わり、健常者に比べその変化は著しい。今回の結果では重症児(者)の下肢ROM低下はより年齢に反映されていた。ストレッチャー型車椅子の使用は、年齢が低くとも股関節脱臼などで股屈曲制限がある場合と加齢とともに座位姿勢がとりにくくなった場合に大別され、日常姿勢をどのように保つかも重要な課題となった。下肢ROMだけで重症児(者)の構築学的変形は評価できないが、加齢による影響の長期的評価のひとつとして有用であった。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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